礼拝説教

マタイによる福音書16章13～20節
藤井清邦牧師

　３月２日、教会創立９６年の記念日を迎えます。

　今から１５７年前、１８５９年１１月、米国オランダ改革教会から派遣されたキドー・フルベッキ宣教師によって長崎の地にプロテスタント改革教会の宣教が開始されました。１８７４年には梅香崎に最初の教会堂が建てられ、そして１９１９年（大正８年）、古町において伝道が開始されることとなりました。

　古町の地で９６年、改革教会の長崎宣教開始から数えると１５７年を迎えることとなります。この神様の恵みと救いの歴史の中に、今わたしたち一人ひとりが招かれ、加えられていることを思うとき、ただ神様の恵みとしか言えません。

　わたしたちは、これまでの教会の歩みを振り返り、神様の導きを感謝し賛美すると同時に、わたしたちの教会の立っているところは何であるのか、わたしたちの教会の土台はどこにあるのか、今一度聖書のみ言葉に聴き、その御言葉に従う歩みをなしたいと思います。

　同時に、わたしたちの教会が建っているところだけでなく、わたしたち一人ひとりの信仰は、一体どこに立っているのか、どのように建っているのか、もう一度、わたしたち自身の信仰を振り返り、見つめ直すことも大切なことです。

　教会の最も中心にあるものとは何でしょうか。

　今日開かれているマタイによる福音書の中で、主イエス様は使徒ベトロに「あなたがたはわたしを何者だと言うのか」と問いかけておられます。ペトロはこの主イエス様の質問に、「あなたはメシア、生ける神の子です」と告白いたしました。すると主イエス様は、それを聴いて「あなたは幸いだ。」「わたしはこの岩の上に、わたしの教会を建てる」と仰せになりました。

　ペトロは「あなたはメシアです」と告白しました。メシアとは、ギリシャ語でクリストスと訳される言葉です。つまりペトロは、「主イエス様こそ、救い主、キリストです」と信仰を告白したのです。

　更にペトロは続けて、「生ける神の子です」とも言いました。主イエス様は、今生きておられる神様の御子であると言ったのです。

　主イエス様は、このペトロの告白を聞いて、「あなたは幸いだ」、「わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てる」と仰せになりました。教会は、主イエスこそメシア、主イエスこそキリストであるというこの信仰の告白の上に立つのです。

　主イエス様が、わたしの教会を建てると仰せになったのは、ぺトロと言うある一人の人物のことではありません。ペトロが神様の恵みによって与えられた、主イエスに対する正しい真実な信仰の告白こそが、土台となる岩であるのです。そこに主キリストご自身が「わたしの教会を建てる」と仰せになり、ご自分の教会を建ててくださるのです。

　パウロは「イエスキリストという既に据えられている土台」があると教えています。教会、そしてわたしたちの信仰の歩みは、イエス・キリストを土台とし、イエスをキリストと真心から告白する真実な信仰の上に立つのです。

2015年3月1日 創立記念日礼拝説教より一部抜粋