礼拝説教

コリントの信徒への手紙Ⅰ 3章4～9節
藤井清邦牧師

　「わたしは植え、アポロは水を注いだ。しかし、成長させてくださったのは神です。」(3:6)

　パウロが、コリントの教会の信徒たちへ書き送った手紙です。パウロはここで、植物の姿を通して、種蒔かれ、水を注がれ、育っていく過程に、コリントの教会が成長していく様子を映しながら、主イエス様を信じる教会は、そして教会に集うわたしたちの信仰は、どのようにして成長していくのかということを教えています。

　パウロは、「わたしは植え」た、と言います。コリントの教会は、パウロの伝道によって出来た教会だからです。次に、「アポロは水を注いだ」と、言っています。パウロがコリントを去ったあと、アポロがやってきて、コリントの教会の人たちに、御言葉を語り、教会の指導をしたのです。それをパウロは、アポロが水を注いだと言っているのです。

　コリントの教会は次第に大きく成長していきました。コリントの教会の何が成長するのでしょうか。それは、主イエス・キリストにある成長ですから、教会の信仰の成長、キリストを信じるコリントの教会の信徒たち一人ひとりの信仰の成長です。

　わたしたちの信仰が育っていくこと。それはとても大切な事です。イエス・キリストを信じる信仰は、洗礼を受け、それで終わりではないからです。

　では、わたしたちは、どのように成長していくのでしょうか。パウロは植え、アポロは水を注いだとあります。コリントの教会は、伝道者パウロによって始められ、アポロによって養われ、牧されてきました。教会が育ち、わたしたちの信仰が育っていくためには、養ってくれる人が必要です。わたしたちの信仰は、養われなければ育つことができません。信仰の助けが必要です。わたしたちの信仰は、自然に育っていくものではないからです。

　パウロやアポロは、具体的に、コリントで何をしたのでしょうか。それは、神様の「御言葉」の種を植え、「御言葉」という、教会にとって必要不可欠な、「水」を注いできたのです。しかし、それらすべて、わたしたちが成長していくために、本当に必要なものは、神様が与えてくださるものです。

　わたしたちが成長していくために必要な恵みとは、まず第一に御言葉です。神様の御言葉が、わたしたちの教会、わたしたち一人ひとりの信仰、みなさん一人ひとりを、のびのびと、すくすくと、大きく成長させてくださるのです。パウロは、本当にわたしたちを成長させて下さるのは、神様ご自身だと語りました。

　種を蒔かれ、信仰を頂いた私たちは、そのままではありません。わたしたちは神様の恵みの中で成長していくのです。「わたしの信仰は少しも成長していない」、もし、そう感じている方がおられたら、その方をこそ神様は招いておられるのです。今が恵みのときです。神様の恵みをめいっばいに受けながら、成長させて下さる神様に信頼して、歩み出しましょう。

（2015年6月14日 主日礼拝説教より抜粋）