HOME「パウロの祈り」
エフェソの信徒への手紙 3章14～21節
藤井清邦牧師
パウロは祈りました。
キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを知り、神様の満ち溢れる豊かさに与ることができるようにと。
キリストを信じる信仰は、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さを知り、満ち溢れる神様の豊かさに与る、そのような恵みに満ちた歩みです。
この恵みは、わたしたちの力によって獲得するものでも、熱心さによって、得られるものでもありません。「わたしたちの内に働く御力によって、わたしたちが求めたり、思ったりすることすべてを、はるかに超えてかなえることのおできになる方」が、わたしたちに、この信仰の恵みを与えて下さるのです。
パウロは、「あなたがたがすべての聖なる者たちと共に、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解し…」(3:18)と言いました。
キリストの愛の、広さや、深さを、わたしたちは、個人的に体験するというのではありません。
使徒パウロは、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さを、「すべての聖なる者たちと共に」知り、理解するようにと祈っています。口語訳聖書は「すべての聖徒と共に」と訳していました。
キリストの愛を知るとは、教会の交わりと切り離されたところで、個人的に劇的な啓示があったとか、霊的な体験をしたとか、そういう仕方で知るということではありません。パウロは、わたしたちが「すべての聖なる者たちと共に」その愛を知るようにと祈っているのです。
パウロにとって、キリストの愛を知り、その広さ、長さ、高さ、深さを知って、神様をほめたたえて生きる事と、教会とは切り離すことが出来ないものでした。
教会に結ばれることによって、本当の意味で、キリストの愛がどれほど広く、長く、高く、深いものであるかを知ることができるのです。
「教会」こそ、キリストの愛を知り、すべての聖徒たちと共に、神様をほめたたえる群れであるということを、聖書はわたしたちにはっきりと教えています。パウロが祈った、この祈りの言葉を、わたしたち自身の日々の祈りとして、神様に祈り求めたいと思います。
どうか、御父が、その豊かな栄光に従い、その霊により、カをもってあなたがたの内なる人を強めて、信仰によってあなたがたの心の内にキリストを住まわせ、あなたがたを愛に根ざし、愛にしっかりと立つ者としてくださるように。
また、あなたがたがすべての聖なる者たちと共に、キリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解し、人の知識をはるかに超えるこの愛を知るようになり、そしてついには、神の満ちあふれる豊かさのすべてにあずかり、それによって満たされるように。
わたしたちの内に働く御力によって、わたしたちが求めたり、思ったりすることすべてを、はるかに超えてかなえることのおできになる方に、教会により、また、キリスト・イエスによって、栄光が世々限りなくありますように。アーメン
2015年8月30日 主日礼拝より
